正常進化を捨て、枝分かれ進化を探る


techcrunchを初め、kakaku.com掲示板などで、キヤノンの新型デジカメがピクセル競争から退いたことがちょっとした話題になっています。話題の矛先に上がっているのは、キヤノンのパワーショッットブランドのフラッグシップ機G11です。先代のG10が最大14.7メガピクセルだったのに対し、このG11は最大10メガピクセルに留まっています。
これまでデジカメはモデルチェンジの度にピクセル数を増やししながら、ある意味「正常進化」を遂げてきました。パワーショットのフラッグシップ機種となればなおさらこのルールに縛られていたことでしょう。そういった観点では、今回のスペックは「ダウングレード」とも捉えられかねません。事実、kakaku.comの投稿をみるとそのような発言も見受けられます。
一方、メーカーでは、ユーザーがメガピクセル進化を求めていることかどうかをふと考え直すきっかけがあったのかも知れません。センサーとの兼ね合いや、デジタル一眼レフとの棲み分けなどその他の要因ももちろんあるとは思いますが。デジカメのメガピクセル競争は自動車の排気量にも似ています。フラッグシップ機においても排気量の大きさはもはやユーザーが求めることではなくなってしまったのです。
これまで正常進化が売りだった製品が正常進化を売りにしなくなった時、他の付加価値の模索が求められるでしょう。正常進化が市場において通用しないのであれば、枝分かれ進化の方向性を定める必要があります。パワーショットGシリーズにとっての枝分かれ進化はどのような方向性でしょうか。明確な枝分かれ進化の方向性が提示されぬまま、正常進化を降りてしまってはいないかちょっと心配になってしまいます。