アジア市場獲得に向けて経産省が動く


経済産業省が日本企業のアジア市場獲得を念頭においた研究会を設立しました。「アジア消費トレンドマップ研究会」という名称で、デザイナーなどに各専門家が参加しています。第一回の研究会には原研哉さんも参加したようです。アジアの消費トレンドを知ることで、国内のアパレル、自動車、家電などの産業分野にフィードバックを行なうことが目的のようです。
国内市場の縮小を考慮すると、日本企業の持続的成長維持の鍵はこれまで以上の海外市場の取り込みにあります。特に、文化圏が近く、輸送コストも低いアジア圏の市場獲得は重要です。これらの地域では、中国、ベトナムインドネシアといった国々でミドルクラス市場の成長が見込まれています。ミドルクラスをターゲットと考えたときに、トレンドの把握は重要な要素になります。アッパークラス市場は世界のどこを切ってもそれほど相違はありません。グローバル化した世界では、アッパークラスはみんな同じような教育を受け、同じようなメディアに接しているからです。有る意味攻略しやすいマーケットだと言えるでしょう。ミドルクラス市場は国やエリアの地理的、文化的、民族的な影響下にあります。例えば、これまでスペックの優位性で高級車を売ってきた自動車会社が、ミドルクラスのコンパクトカーを売るために、ユーザーの生活文脈を知る必要が出てくるといったことが起こってきています。
朝日新聞記事には韓国のコンテンツ力が言及されていますが、コンテンツの覇権を巡る競争も激化しています。タレントや映画、音楽などの分野では、日本よりも韓国のコンテンツがアジアの若者に支持されていたりします。韓国では、サムスンや現代などの企業の数は限られるものの、これらの企業のアジアでの成長は著しいものがあります。最近、現代自動車が日系の自動車会社を押さえて中国自動車市場において第4位に躍進したというニュースもありました。韓国発のタレントや音楽が韓国製品をプロモーションするといった直接的なコラボレーションだえけではなく、韓国発のコンテンツの存在自体が韓国製ブランドの価値を向上させているという背景もあるようです。