逆輸入で市場参入


伊藤園が紅茶飲料市場に参入しました
実はこの紅茶ブランド「TEAS'TEA」は伊藤園アメリカ市場に出て行く際につくったものなのです。伊藤園は数年前からアメリカ市場に参入し、「TEAS'TEA」ブランドのもと、紅茶と日本茶をラインナップし、高級スーパーやデリなどに納品していました。パッケージも割とおしゃれで、アメリカで何度か見かけたことがありました。
この度日本で発売された「TEAS'TEA」ブランドは、アメリカ市場での経験を背景に「TEAS'TEA NEWYORK」となっています。一方で、パッケージは日本市場に合わせたものにアレンジされています。オリジナルにはない果物の写真が挿入され、カロリー表示が強調されています。やはりノイジーな日本市場ではある程度の目立ち度がないと埋没してしまうということでしょうか。
このような逆輸入のケースは、これまではLexusなどの重厚長大系にちらほら見られたケースですが、飲料などの消費材ではまだ珍しいのではないでしょうか。例えばサントリーは中国で純生という高価格帯ビールのブランドを持っていますが、こういうものも日本に逆輸入される時が近いのかも知れません。

デザインで株価上昇?


昨日横浜の新本社のお披露目と共に発表された日産の電気自動車「LEAF」ですが、デザインがよいとの評価で株価が上昇していると報じられています。
そこまでデザインの影響力が大きいかどうかは別として、確かに何かを犠牲にしたり、我慢したりしていないデザインだなという印象を持ちました。
三菱自動車i-MiEVは既存車両を利用していて、スタイルで買ってもらうというよりは機能で買ってもらえる商品という位置づけです。トヨタプリウスのデザイン完成度は高いものがありますが、ハイブリッド車であるが故のデザイン上の制約は否定できません。この制約により、期せずしてプリウスとホンダのインサイトは外観の共通性が生じています。
今回発表された「LEAF」電気自動車でありながら、まったく新しい新車のような華やかさがあります。日産もそのあたりをかなり意識したのかも知れません。我慢するエコから、快を追求するエコへのまた一つの大きな前進なのではないでしょうか。

eneloop × 自転車


サンヨーのeneloop bikeの新車種が発表されたようですね。既存のeneloop bikeラインナップはどうしても旧来型の自転車の枠組みに納まるものが多かったのですが、新たに発表されたモデルは、電動アシスト自転車独自の領域を意識したものに仕上がっている印象を受けます。
特に新たに発表された折りたたみモデルSPJシリーズは興味深い存在です。ちょっと家電を感じさせるすっきりとした外観に加えて、電動アシスト初の両輪駆動といった機能性も備えています。これはひょっとすると先日のブリヂストンの製品よりも先をいくものかも知れません。
しかし、サンヨーのeneloopチームは本当にいい仕事をしますよね。自社の強みを最大限に活かしながら、同時にビジネス領域も拡張している。しかも、そのビジネス領域は生活者にとっても新しい生活のあり方であるというところがポイントなのではないかと思います。つまり、供給者と受容者の両方にとってのイノベーションが実現しているわけです。
もう一つ特筆すべきなのは、それを洗練された外観のデザインにおさめている点です。自転車はまだこなれ切れていない面もありますが、電池はデビュー当時からあのデザインクオリティで世の中に勝負をかけています。競合の充電池のデザインと比較するといかに志の高いデザインが施されているかよくわかります。2008年のグッドデザイン賞を始め多くの賞を受賞しています
失礼を承知で書くと、これが一度倒産の危機に瀕した会社の仕事とは思えません。しかもeneloopの事業は経営危機の最中に成長しているのです。ある意味、これは日本企業の特徴を示しているのかもしれません。日本企業は、欧米のトップダウン型マネジメントではなく、構成組織の自律性が特徴だといわれています。これが悪く働くと個別の事業部がムラ的になり、事業部間の連携に取りにくくなってしまいます。ちょうど近年のソニーがこの症状に陥っていたのかもしれません。一方、三洋のように経営危機のような会社全体の出来事は尻目に、事業部の独自性で我が道を行くある種の孤高の鈍感力のようなものがいい方向に作用するというケースもあるのではないでしょうか。

主力事業をシフトする


ちょっと前の日経の記事で、主力事業の交代が進んでいる企業の株価が堅調だと報じられていました。記事中紹介されているのは、複写機、プリンター事業に代わって医療や液晶事業が伸張している富士フイルムホールディングスと、自動車関連事業から太陽電池関連事業へのシフトが進んでいる日清紡ホールディングスです。
東京ミッドタウン富士フイルムの前を通ると、同社の化粧品事業のショールームが目に入ってきます。化粧品事業への参入は2007年からで、一般向け販売は2008年から始まっています。フィルム会社が化粧品事業に参入なんて、しかも事業ブランドはそのまま使うなんてと多くの方が感じたのではないでしょうか。事業の成否はこれから明確になっていくものと思いますが、あのショールームの前を通るたびに、有無を言わさない新規事業への意気込みとその背景にある危機感を感じ、身が引き締まる思いになります。

縮む日本


総務省統計局の住宅・土地統計調査の速報が発表され、日本の総住宅戸数に占める空家率は過去最高の13.1%になったことが発表されました。
ちょっと衝撃なのは、空家率20%を越える都道府県が現れ始めているということです。今回の調査では、山梨県の空家率は20.2%、次いで長野県19.0%、和歌山県17.9%となっています。
この調査は5年後ごとに実施されています。前回調査の空家率は12.2%でした。一方で総住宅数継続的に上昇しています。都市への流入で地方の家屋が使われない、あるいは世帯構造の小家族化・単身化で既存住宅がニーズに合致していないといったことが背景にありそうです。
日本の人口はピークを過ぎ、現在減少過程に入っているといわれています。縮みゆく日本に対して、これまでとは異なる新しい社会システム・インフラのあり方が求められています。

シュリンキング・ニッポン―縮小する都市の未来戦略

シュリンキング・ニッポン―縮小する都市の未来戦略

トヨタが先導する日本企業の顧客指向


トヨタ自動車が顧客志向を実現するためのマーケティングの別会社を設立すると発表しました
ちょっとややこしいですが、設立される会社は二つ。一つはグローバルにマーケティングを統括する会社。もう一つはその会社の下部組織として日本市場のマーケティングを行なう会社です。グローバル統括会社の下には、日本市場のためのマーケティング新会社の他、広告会社のデルフィスやアムラックスといったショールームも束ねられるかたちになります。

 2つの新会社は、トヨタから別会社化することで、業務の専門性と機動性を高め、「お客様を向いた活動」に重点をおいた、現地現物のマーケティング活動を進めていく。更に、「お客様」のニーズを迅速かつ的確に把握し、タイムリーにトヨタへフィードバックすることにより、トヨタの商品開発や販売の改革にも繋げていくことも視野に入れた活動を行っていく。

二つの会社は、トヨタにおける顧客情報収集拠点となるようです。これは6月末の株主総会で新社長となった豊田章男氏の記者会見における、顧客視点に立った経営という内容とも一致するもので、新会社の動きは新社長の意向を汲んだものであることが想像されます。
日本の企業はこれまで高い技術力を起点に顧客をリードするというやり方で成功してきました。そのため、顧客視点に立つことが必ずしも得意ではありません。一方海外の企業に目を向けると、以前ここで紹介したP&GのA.G.ラフリーを始め、顧客志向こそが経営のエンジンと断言する経営者が少なくありません。こうした企業は顧客理解の方法にも当然ながら長けています。
技術などのシーズ先行型経営から、新の顧客ニーズ先行型に変革することは日本企業がグローバルな競争環境化で生き残るために必要不可欠な要素の一つです。日本の企業はよくも悪くも横並び傾向があります。今回のトヨタが顧客指向に大きく舵を切ろうとしていることは、他の日本の企業にとって大きな影響力を持つのではないでしょうか。1997年に「トヨタ エコプロジェクト」とプリウスの発売によって、企業、特に自動車会社の環境への取組みを大きく先導したトヨタが、また新しい先導者の役割を担おうとしています。

せっかくなのでGRの話をもうちょっと


昨日に続きGRの話です。
GR一代目が登場した2005年当時、大変先進的かつ果敢な取組みだったのが、公式ブログの存在です。
このブログの何が果敢かというと、これは今も変わっていないのですが、ハンドルネーム(?)的なニックネームで発信される妙に馴れ馴れしいテイストの文体と姿勢です。ブログが開始された2005年8月のエントリーを引用してみましょう。これが始まった当時、同僚とGRでこの文体はないだろーという話をしていたのを思い出します。でもそのうちこの文体と姿勢にも慣れ、すっかりGR側から発信されるコミュニケーションの一部として定着した感があります。
このスタンスそのものではないですが、サントリーの公式ブログも比較的フレンドリーなテイストで書かれています。こうしてみると、広告とも、プレスリリースとも異なるテイストを持つ第三のコミュニケーションの形態として、ブログコミュニケーションが確立してきていることがわかります。これを2005年からやっているGRの先進性に驚きを隠せません。

GR BLOG、スタート!

みなさんお待ちかねのGR BLOGが始まりました!
#一番”お待ちかね”だったのは、GR BLOG担当の我々だったりして??

広報部でリコーWebサイトの運営管理を担当している、
えみっふぃーこと伊藤 恵美子です。
このブログのナビゲーターを務めさせていただきます。
どうぞよろしくです(^-^)

「なぜ広報部の人がナビゲーターなの?」
という素朴なギモンをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
実は、私は入社以来数年前まで、デジタルカメラの部署に所属していまして、
アナログ〜デジタルへの変遷期に渡り、発売準備担当をしていたんです。
そのころのご縁で、ブログの企画段階から検討チームにいたのですが、
気づいたらナビゲーターになっていました(笑)

カメラの部門に長いこといながら、写真を撮る、ということに関してはかなりシロウトです。
花とか動物とか、身近なものを気の向いたときに撮っている、といった程度で…。
(お恥ずかしながら…。)